コンタクト・インプロヴィゼーションとは

コンタクト・インプロヴィゼーション(CI)は、1972年アメリカにてスティーヴ・パクストンが考案したダンスの即興形式です。
相手と体重のやりとりをしながら、そこに生じる動きの流れにまかせて動いてゆくコミュニケイティブな活動です。
段階的な指導法によって、非常に繊細な動きからダイナミックでアクロバティックな動きまでを習得することができます。
欧米では、ダンス・スクール、演劇スクールなどの必修科目として学ばれているほか、趣味として楽しむ一般の人々も多く、また視覚障害や歩行障害など様々な身体能力を持つ人々とともに行うインクルーシブな活動としても展開しています。
初心者と熟練者が共に学ぶことができるというのも、この形式の特徴の一つでしょう。
 


 

C.I.N.N.について

2003年にコンタクト・インプロヴィゼーション(CI)のもつコミュニケイティブな側面に注目し、その普及のために関東近郊の舞踊家らが中心となった非営利グループSPIRALを結成。CIのジャムセッションや公演を開催するほか、欧米のインプロヴァイザーを受入れ様々な企画を実施してきました。

2007年5月、趣旨に賛同する大学関係者やCI講師の協力を得て「東京コンタクト・インプロ・フェスティバル」を開始。以降同企画において、欧米のCI講師を毎年2名招聘し合宿型ワークショップとパフォーマンス(08年より)を開催してきました。活動の特徴としては、CIの実践が伝える平等主義的側面を、内容(シェアリングやジャムセッションも重視)や、運営(講師は他クラスを受講、記録VTR等を皆で共有)においても重視し、一つの文化としてCIを伝えようとしている点にあります。

2011年7月C.I.N.N.と改名。今後も、引き続き国内外からの参加者を想定し企画を充実させるとともに、大学や地域と連携をとりながら、スタジオや劇場のみならず、各種学校や地域施設へと活動の場を広げてゆきたいと考えています。


Drawn to the communicative aspect of Contact Improvisation, C.I.N.N. (formally SPIRAL) was founded in 2003 for the promotion of Contact Improvisation by dancers of Kanto area in Japan.

It has been organising CI jams and performances in Tokyo, while also working on numerous projects with contact improvisers from Europe and the Americas.

“Tokyo Contact Improvisation Feastival” was launched in May 2007 with the help of university staffs, teachers, and CI instructors, all who supported the project.
C.I.N.N. has continued to organise this annual feastival ever since, in which it invites two CI instructors from abroad to lead the workshops and present a CI performance. CI performance was integrated to the feastival in 2008.

C.I.N.N. lays weight on carrying and spreading the aspect of egalitarianism, which is presented by the practice of CI, through its programs (sharing and jam having important rolls) and management (instructors attending other instructors’ workshops and staffs reviewing the workshop videos together.)

Its name was changed to C.I.N.N. from SPIRAL in July 2011.
C.I.N.N. will continue to work on organising programs which can be participated by all people from all cultures, working closely with educational organisations and local community, and expanding its area of activity to schools and local facilities.

 


 

C.I.N.N.スタッフ Staff


髙橋弘子 Hiroko Takahashi

2003年SPIRAL(現C.I.N.N.)結成時より団体代表者として、団体活動の企画・制作・運営を担当。
1985~2000年竹屋啓子コンテンポラリー・ダンスカンパニー(CDC)の団員として、クラス指導、公演作品振付、国内海外公演全て参加。1997年渡仏の際にCIに出会い、以降、N.S.スミス、N.マーティン、R.チャン他のもとで集中的にCIの研修と実践を重ねる。また、そのルーツである合気道を学び始める。2006年7・8月(2ヶ月)ロシア・EU3ヶ国CIフェス、ECITE(Eu.CI.Teach.Exchange)に参加。その後Malaysia, Thai,中国四川からCIフェス/WSの招聘を受け指導。現代舞踊・芸術のくすり箱会員、FTP:Pilates/BOSU・JCCA公認Instructor、Yamuna Practitioner、中高老年期運動指導士、TOTAL Workout 日体大(Personal Trainer) 、Core flight Specialist 、ADIDAS Functional Training Trainer。合気道四段、居合道二段。2000~’17年度 日本体育大學ダンス部コーチ(コンテ、CI指導)。2006~’19年度 PAI(舞台芸術学校「CI」担当)。2011~’22年度 桐蔭横浜大学非常勤講師。現在,神田外語大学大学非常勤講師(合気道)。



福本まあや Maaya Fukumoto

2003年SPIRAL発足時より同主催のイベントにスタッフとして参加。主に海外講師との交渉を担当。
舞踊活動歴:即興をスティーヴ・パクストン、アンドリュー・ハーウッド、ニナ・マーティンらに学ぶ。また、現代舞踊を石黒節子に、舞踏を蝉丸に学ぶ。1993年より国内外にてソロ及びグループでの振付作品を発表。1999年第2回シアターオリンピックス特別プログラム日本現代ダンス抄(静岡)に振付・出演。2000年SPAC振付コンクール2000にて自作品「時は静かに流れた」優秀作品選出。
研究歴:1998年よりコンタクト・インプロヴィゼーションをテーマにお茶の水女子大学大学院にて研究を開始。2001年に修士号(人文科学)を、2009年に博士号(学術)を取得。研究論文「コンタクト・インプロヴィゼーションの発生における合気道の思想的影響」『舞踊学第29号』、「コンタクト・インプロヴィゼーションにおける“disorientation”の概念」『人間文化論叢第9巻』掲載ほか。2009年春にはC.I.の創始者スティーヴ・パクストンとリサ・ネルソンの来日プロジェクト実行委員会の副実行委員長を務める。同プロジェクトで使用されたテキストの翻訳やティーチング・アシスタントを担当。現在、お茶の水女子大学助教(舞踊教育学コース、比較社会文化学専攻担当)。



池田理枝 Rie Ikeda

2003年SPIRAL発足時より同主催のイベントにスタッフ及びパフォーマーとして参加。
制作広報を担当。
CICO企画他、CI・WSを数多く受講。コンテンポラリー、JAZZ、バレエ、ボディーコンディショニングなど幅広いジャンルで、身体と表現の探求を続けている。
薬剤師。
 



国枝昌人 Masato Kunieda

スイス日本人。裸足で走り回るから、とダンスを始め、いまだにいろんな仲間と飲んでは踊っている。
撫肩GUYDANCEメンバー。
東京コンタクト・インプロ・フェスティバル2010から通訳担当。
 
 



池田絵理 Eri Ikeda

2010年より、TCIFスタッフとして参加。
小学校で教鞭を執る傍ら、自身の創作活動にも取り組んでいる。
 
 
 
 



永井美里 Minori Nagai

2007年5月東京コンタクト・インプロ・フェスティバル07受講をきっかけに、2008年から制作・通訳アシスタント担当。英国ミドルセックス大学ダンス学部卒業。帰国後、AAPAの創作に参加し、2013年より「日の出町団地スタジオ」のクラス講師を担当。自身のダンスを探求しながら、からだの面白さやダンスの魅力を広く伝えていくことを目指して活動を行う。桜美林大学非常勤講師。AAPA:https://aapa.jp/